天草エアライン機内誌 10月号、「ここにいるから」連載記事が掲載されました

天草エアライン機内誌  10月号、「ここにいるから」連載記事が掲載されました

熊本県天草市には、イルカの飛行機で有名な天草空港があり、みぞか号というニックネームのついた飛行機が就航しています。小型飛行機ですが、ローカルの良さがつまった自慢の飛行機です。

その機内誌に、月に1回、ニュースレターの寄稿をしております。天草にいる野生のイルカのこと、そしてイルカが住める環境のことなど、その価値が多くの人に伝われば嬉しいです。


今回は、天草に来た外海のイルカについてのレポートです。


私は天草にきて今年が8年目になりますが、この間で出会ったのが、ハンドウイルカ、ハナゴンドウ、なんらからのヒゲクジラです。
https://dolphin-lab.com/2023/04/12/post-3440/

残念ながら亡くなってしまってからの個体では、ハセイルカ(マイルカ?)、マッコウクジラとなります。スナメリは生きているのも、亡くなっているのも見かけています。私は見ていませんが、ザトウクジラも入ってきたことがありました。

有明海は内海ですが、二江沖はすぐそばがもう外海の東シナ海です。そこにはいろいろなイルカやクジラが回遊していることがわかっています。たまーに、このように外海のイルカたちが遊びにきてくれることは、とっても嬉しいし大歓迎です。

しかし、ニュースレターにも書いたように、長居になってくると心配です。日本各地でも、外海から来たイルカやクジラが沿岸で徐々に弱ってしまって・・・というニュースはよくあります。
最初は会えてラッキー(*^▽^*)! すぐに出ていくだろうなぁと思っていました。

しかし、ちょっと心配になってきました。

五和沖では、人とミナミハンドウイルカが共生していますが、大きな有明海の他のエリアでは、そういうわけにはいきません。漁業の妨害となってしまったり、あるいは、十分なエサを見つけられなかったり、いつもとは違う障害や、ゴミも多いことでしょう。

人とイルカの共生は、世界的にもとてもまれで、なかなか難しいのが実情です。さらに、1頭2頭のはぐれイルカではなく、かなり大きな群れなので、それもハードルになります。ハセイルカたちが、無事にいつもの生息場所へかえってくれることを願いましょう。
ちなみに、ミナミハンドウイルカたちと一緒にいるところは発見されていません。果たして、お互いに「いる」ことは認識しているのでしょうか。もし、わかっているとしたら、どんな会話をしているのか、気になりますね~!