イルカラボ#14 イルカ観光における各地域のルール

イルカラボ#14 イルカ観光における各地域のルール

イルカやクジラに関わる観光地が世界各地にある中で、それぞれの場所で法律や自主ルールが定められています。

2018年8月22日のイルカラボ勉強会では、天草のイルカウォッチング自主ルールについて知ること、日本国内のイルカ観光地のルールについて勉強しました。

天草のイルカウォッチング自主ルール

イルカウォッチング安全運航協議会が救命胴衣の着用のような安全上必要なもののほかに、イルカとの共存を目指すものがあります。

・イルカの食餌や交尾・出産など自然な行動を防げません

・野生のイルカに、餌付けはしません

・イルカの群れから200m以内の航行は減速します

・ウォッチング中の船とイルカの群れとの距離は、群れのほうから船に接近するときを除いて、30m以上の距離をおいて操船します

・イルカと並走し、減速して操船します

・イルカの群れに突っ込まない、群れを追いかけません

・地元漁船保護のため、次のルールを守ります

・素潜り漁船には、200m以内に接近しない (素潜り漁船の左舷側には絶対入らない)

・一本釣り漁船とは、一定の距離をとること

御蔵島(東京都)

日本で一番有名なイルカ観光地の御蔵島では、都の条例としてルールが定められています。イルカ観光に関わる業者はこのルールを守らなければなりません。「一つの群れに近づくことができるのは船4隻まで」、「自撮り棒を海中に入れない」など、事業者も観光客も研究者も、イルカや生態系への配慮のある行動が求められています。

(参考)

一般社団法人 御蔵島観光案内所http://mikura-isle.com/?page_id=379

御蔵島における自然環境保全促進地域の適正な利用に関する事業運営要綱http://www.mikurasima.jp/data/reiki_int/reiki_honbun/g161RG00000181.html

粟島(新潟県)

イルカの生息する海に限らず、海の利用について漁協と自治体とで取り決めをしている例もあります。

粟島観光協会https://awa-isle.jp/news/【お知らせ】粟島海域レジャーに関する海面利用/

日本のみならず、世界各地で色々なイルカ事業があります。
地域ごとに、条例や自主ルールなどが制定されていますが、なぜそのルール?背景は?実情は?
今回は、まず「天草の自主ルール」についてシェアをすることから、はじめました。
そして、御蔵島や利島、小笠原、さらにハワイなどの事例をみながら、意見交換。
ルールってなんのためにあるの?
どうしたら守られるのか?
誰がどんなふうに制定するのか?
それをどのように浸透させるのか?
天草にはどんな課題があり、
そもそも
「大切にするべきこと」
がなんであるのか?
そのために何をするのか。
中身の濃い時間となりました。

自主ルールはお互いに守らなければ意味はありません。
天草のイルカ事業の間においても、もっと盛り上がっていくテーマになるといいなぁ、と思います。